車載用高速ネットワーキングが現実のものに
新しい消費者機能の創造
マーベル、自動車メーカーに初めてサンプルを提供
高速LTEネットワークが利用可能になり、自律走行が推進される中、自動車会社は、車両への、そして車両内での高速データ配信の構造的アプローチに取り組んでいる。 今日、シングルペアツイストペア銅線を介したギガビットイーサネットは、自動車業界にとって現実のものとなり、車内高速ネットワーキングへの道を開いた。 昨年11月、マーベルは、IEEE 1000BASE-T1プレスタンダード仕様( )に基づく最初のサンプルを、車両での性能検証用に納入した。 1000BASE-T1規格は、軽量、低コストのシングルペアケーブルハーネスによる高速双方向データトラフィックを可能にする。 これにより自動車会社は、まったく新しいエキサイティングな自動車機能や利点を生み出すことができる。 自動車メーカーは初期段階のサンプルチップセットを利用して、この新規格の性能を評価し、アプリケーション開発プロセスの早い段階で生産に先立って問題を特定することができるようになったため、製品化までの時間を短縮しスピーディに市場投入を行うことができる。
シームレスな車載無線通信への道を開く業界標準化団体
同時に、多くの業界標準化団体が、クラウドベースのアプリケーションを実現するために、自動車とのシームレスな内部・外部通信を可能にする自動車専用の無線技術の標準化に取り組んでいる。 LTE規格では100Mbpsデータ容量を超えるデータ通信が可能であるため、LTE接続には、ネットワークからユーザーが実際に利用できるスループットに応じて、車両内で100BASE-T1または1000BASE-T1イーサネット機能と同等の高速リンクが必要となる。 通信事業者のネットワーク対象範囲とデータ課金レートが消費者に受け入れられるようになれば、車載用クラウドベースアプリケーションは大容量のデータ転送を可能にし、より幅広いインフォテインメントだけでなく、コンシェルジュやナビゲーションアプリケーション、さらには安全なOTA(Over-the-Air)アップデートによる遠隔診断も可能になるだろう。 (休暇中に高速道路の脇で車を止められたとき、自分の車のどこが悪いのか正確に知ることができたらいいと思いませんか?) このような仕組みにより、企業や営利企業向けのセキュリティや車両管理の迅速化も可能になり、メンテナンスコストの削減に貢献する一方、最新のクラウドベースのデータサービスをドライバーに提供することで、顧客満足度を高めることができる。
先駆者としての歴史
マーベルは、IEEE標準規格の開発に積極的に参加してきた履歴をもっている。 2011年、マーベルは、IEEEにおける車載専用ギガビットイーサネットPHYのCFI(Call For Interest)の主要な推進者であった。 このCFIは全会一致で支持され(IEEEでは比較的珍しい)、現在、新しいIEEE 802.1bp標準は2016年に批准されることになっている。 一方、マーベルはすでに業界向けにテスト用標準部品のサンプリングを開始している。 部品が入手できるようになったことで、高速イーサネットの新しいアプリケーションのテストや開発に著しい関心と活気が生まれている。
近い将来、自動車は最大のIT雇用者になるか?
車載専用ギガビットイーサネットの導入は、コネクティビティアプリケーションを強化するためのバックボーンを提供することができる。 イーサネットは、その優れた価格/性能だけでなく、OSI(Open Systems Interconnection)モデルもサポートしているため、自動車業界は主要なイネーブラーとして急速に採用している。 OSIモデルは、アプリケーションとサービスの迅速な展開を可能にする。 このレイヤーアプローチを使って既存の上位レイヤのOSIモデルのすべてと一貫して、軽量と低EMCの両方の要求を満たす特定のPHY 技術を開発しなければならなかった。 これにより、PHYレベルより上のレイヤで既存の開発リソースを活用し、再利用できるという利点がある。 自動車のコネクティビティとそのアプリケーションが前例のないほど拡大する可能性があるため、自動車業界が今後数年間で最大の IT エンジニアの雇用主になる可能性があると考えるのは驚くべきことだ。
続く
マーベルは、車載用WiFiとBluetoothのコンボ製品の長い歴史に加え、高速走行中に基地局が利用可能になったときにいつでも臨機応変にアクセスできるFILS(Fast Initial Link Setup)を可能にする802.11ai技術を開発することで、WiFi技術がこの外部接続の一部になることを可能にしている。 さらに、802.11p製品は、衝突回避や歩行者/自転車検知のための短距離無線接続を可能にする。これは、迅速な応答が要求され、現在のLight Detection and Ranging (LIDAR)やLTE技術では不可能なアプリケーションである。 このようなワイヤレス通信が車のルーフに搭載されることで、イーサネットは車内外との高速通信に重要な役割を果たす。 最新の開発中の業界標準に基づく初期サンプルを提供することで、マーベルは車載コネクティビティ技術における新しいアプリケーションの「推進」を支援している。
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