ドライバーは、以前は「クールな新機能」であったものが、今ではバックアップカメラ、ブラインドスポットアラート、パーキングアシストなど、「なくてはならない」技術となり、すでに慣れ親しんでいる。 これらの技術はそれぞれ、車内の情報(データ)をストリーミングするもので、自動車技術が進化するにつれて、さらに多くの機能が追加されることになる。 しかし、自律走行車となると、処理するために車に入ってくるテクノロジーやデータストリーミングの量は指数関数的に増加する。 自律走行車は、センサー、レーダー、無線、赤外線センサー、カメラから複数の情報/データのストリームを収集する。 これは、現在の先進運転支援システム(ADAS)や車載インフォテインメント(IVI)を超えるものである。 自律走行車は周囲の状況を敏感に認識し、車両を運転するための意思決定を行う高度なアルゴリズムを実行する。 しかし、自動運転車は車両間通信も処理することになるし、車載通信インフラが発達するにつれて、将来の高速道路に設置される多くの外部機器との接続も行うことになる。 これらの機能やプロセスはすべて、大量の通信帯域幅を必要とする。
車の発進;運転;方向転換;赤信号、停止;-歩行者-ブレーキ! 車内ネットワークの帯域幅が足りなくなるのは非常にまずい。
運転機能に加え、各乗客用の同時インフォテインメントストリーム、車両インターネット機能などが加わると、自動車で使用されている現在の100メガビット/秒(mbps)の100BASE-T1イーサネット帯域幅は、すぐに逼迫状態になる。 従い車載ネットワーク向けの1000BASE-T1ギガビットイーサネット(GbE)採用の道ができつつある。 イーサネットは、世界中の建物内で数百万マイルに及ぶケーブル配線を行う経済的な大容量の主力製品として長い間使用されてきた。 そのため、
IEEE 802.3 Ethernet Working Groupは、iGbEを車載における次のネットワーク帯域幅標準として承認した。
カージャックからクリティカルなカーハッキングへ - セキュリティが重要
車載ネットワーキングのもう一つの大きな要因はセキュリティである。 運転やエンターテインメントに必要な多くの技術的機能やプロセスに加え、セキュリティは自動車、特に自律走行車にとって大きな関心事である。 ドライバーを乗っ取り車がハッキングされるSF映画のストーリは大変に恐ろしいものだが、現実の生活では悪夢を超えたものとなるだろう。 スパイウェアを防ぐための自動車のセキュリティは、不正なメカニック或いはハッカーから仕掛けられたものであれ、プライバシーと乗客の安全を守るための強力な認証が必要となる。 未来の自動車は、認証されていないデバイスの追加や、自動車のオープンな通信チャネルを通じた外部からの侵入を拒否できるようになるだろう。
このため、マーベルのような企業は、IEEEのような組織とともにリーダーシップを発揮し、車載用GbEのようなオープンスタンダードの策定を支援することで、車載技術を前進させ続けている。 (IEEE 2014 Automotive DayにおけるAlex Tan氏による「1000BASE-T1を車載アーキテクチャーに設計するメリット」のプレゼンテーションを参照
http://standards.ieee.org/events/automotive/2014/02_Designing_1000BASE-T1_Into_Automotive_Architectures.pdf.。)
次世代の自動車ネットワーキングを推進する技術
マーベルの自動車イーサネットのネットワーキング技術 は、インフォテインメント、ドライバーアシスト、ボディ電子部品、制御など、従来は自動車との別々の領域であったものを取り込み、それらを接続することで、車両に広帯域幅の標準ベースのデータバックボーンを提供することができる。 例えば、Marvell 88Q2112は、IEEE 802.3bp 1000BASE-T1規格に準拠した業界初の1000BASE-T1車載イーサネットPHYトランシーバーである。 Marvell 88Q2112は、市場最高の車載接続帯域幅をサポートし、車載システムの厳しいEMI要件を満たすように設計されている。 1000BASE-T1規格は、高速で双方向のデータトラフィックと、4K解像度を含む複数のHDビデオストリーム用の車載非圧縮720p30カメラ映像を、軽量で低コストのシングルペアケーブルで実現する。 Marvell 88Q1010低消費電力PHYデバイスは、インフォテインメント、データ伝送、カメラシステム向けに、100BASE-T1および圧縮1080p60ビデオをサポートする。 最後に、車載ネットワーク・ソリューションの締めくくりとして、マーベルは7ポートイーサネットスイッチのシリーズも提供している。
低価格かつ高帯域幅を持つイーサネットを活用すれば、次世代の自動車アーキテクチャに新たなアプリケーションを追加できる柔軟性を含む多くのメリットを得ることができる。 言い換えれば、今日では想像すらされていないような全く新しい機能をも搭載できるような基盤を用意しておくことができる。 将来のクルマは車自身が運転するかもしれないが、その道を切り開くにはテクノロジーリーダーのコンソーシアムが必要だからだ。
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