高度なデジタル機能、自律走行車、新たな自動車安全法制はすべて、次世代自動車に搭載されるチップやテクノロジーの数をエスカレートさせる数多くの「牽引力」のひとつである。 現在、そして将来の自動車における車内・車外通信に必要なワイヤレス、コネクティビティ、ストレージ、セキュリティ技術は、データセンターで使用される技術を活用している。実際、自動車は走るきデータセンターになりつつあると言える。
走るデータセンターの進化を裏付ける興味深いデータを以下にいくつか紹介する。
- 全米高速道路交通安全局(NHTSA)は2018年5月までに、、米国のすべての新車にバックアップカメラの搭載を義務付けている 。 NHTSAの報告によると、現在販売されている新車の半数がすでにバックアップカメラを搭載しており、NHTSAの義務付けがなくても広く受け入れられていることがわかる。
- 高級ブランドの車両には、複数のカメラを使って360度のパノラマ画像を提供するところもある。 コンピュータやビデオゲーム用のグラフィック処理チップで有名になったNVIDIAは、バックアップとサラウンドビューのデジタルプラットフォームにおけるリーディングプロバイダであり、そのデジタル専門知識を最もホットな新車トレンドに変換している。 最新の2017 International CESで、NVIDIAは最新のNVIDIA PX2を展示した。これは自動運転車向けの人工知能(AI)カーコンピューターで 、自動車メーカーとそのティア1サプライヤーが自動運転車と自律走行車の生産を加速できるようにするものである。
- NetworkWorldで報じられたCESでのIntelのプレゼンテーションによると、たった1台の自律走行車が1日に使用するデータ量は4,000GB(または4テラバイト)になるという。
- ストラテジーアナリティクス社の1月の調査によると、2020年までに新車には1台あたり約1,000個のチップが搭載される見込みだという。
先進運転支援システム(ADAS)、車載インフォテインメント(IVI)、自律走行車は、チップ、センサー、ネットワーク、ワイヤレス接続を介して、車両内外から他の車両やサードパーティサービスにストリームされたデジタル情報に依存することになる。 これらのデータはすべて、シームレスかつ安全に処理、保存、送信される必要がある。LoJack® は必ずしも自動車ハッキングに役立つわけではないからだ。
そのため自動車メーカーは、よりデジタル化された自動運転車への移行をサポートするため、ハイテク産業や半導体産業に目を向けている。 ワイヤレス、コネクティビティ、ストレージ、ネットワーキングの各分野での半導体をリーダー企業は「車輪付きデータセンター」の設計とデータ管理に参画する。 例えば、マーベルは最近、最新のWi-Fi、Bluetooth、車両間(V2V)および車車間インフラ(V2I)機能を統合した、
初の車載グレードのシステム・オン・チップ(SoC) を発表した。 車載用に提供されるもう一つの技術製品は、InnoDisk
SATA 3ME4 Solid-State Drive (SSD) シリーズである。 元来、産業システム統合用に設計されたこれらのストレージドライブは、過酷な条件下での衝撃や振動だけでなく、自動車のさまざまな温度範囲にも耐えることができる。 これらの製品はいずれも、データ駆動型自動車に必要な情報を保管・保存するだけでなく、その情報を不要な侵入から安全に守るために、最先端の暗号化を統合している。
マーベルやその他の企業は、自動運転車においてはさらに最も重要である自動車に特化したワイヤレス、接続、ネットワーキング、ストレージにおける安全なデジタル ソリューションの標準化と適応に取り組んでいる。 ギガビットイーサネットのような現在のデータセンターで用いられる標準規格は自動車用に開発されており、業界は、走るデータセンターが安全であるだけでなく、セキュアであることを確認する手助けをするために立ち上がっている。